プログラム見どころ
「心にググっとぐんま」の群馬県は、最近テレビでもよく紹介され、注目されています。伊香保温泉や草津温泉など魅力ある数々の温泉、美しい山々、高山植物の自然はもちろん、鉱業、養蚕やこんにゃくなどの産業や産物、そして新島襄、内村鑑三などの人物も輩出しています。また、萩原朔太郎、土屋文明を代表とする詩人、文学の深い文化ももっています。医療・保健・福祉分野においては、ぐんま認知症アカデミー(2005年設立)が認知症ケアの発信拠点になっています。専門医や専門看護師など、高度専門職の教育なども活発に行われています。本学会の見どころは、エンドオブライフケアを軸に、認知症、難病などの非がん、がん、ACP、文化的な側面、専門的ケアの実演など、学会に足を運びたくなるプログラムをたくさんご用意いたしました。以下、見どころの内容をご紹介しますので、ぜひ、学会への演題申し込み、参加申し込みをお願いします。なお、お示ししましたプログラムは2023年1月の段階のもので、 コロナ等の状況で変更があることをご了承ください。
2023年1月現在 日本エンドオブライフケア学会第6回学術集会プログラム企画委員
<☆ハイブリッド開催・オンデマンド>または<〇対面のみ(現地開催のみ)>
特別講演:☆
「認知症ポジティブ」
山口晴保 認知症介護研究・研修東京センター
脳科学者、リハビリテーション専門医、認知症専門医、元保健学科教員の本講師は、いつもニコニコしながら、鋭いツッコミで人気の高い演者です。山口氏は、著書「認知症ポジティブ! -脳科学でひもとく笑顔の暮らしとケアのコツ-」の中で、ポジティブ心理学を認知症の理解やケアに取り入れ、認知症に対するネガティブなイメージをポジティブに転換できる!と、唱えています。認知症は「死にゆく病気」として認識されるようになりましたが、その人のエンドオブライフケアは捉え方や工夫次第でポジティブになります。認知症になっても最期までその人らしく生ききる、本人もケアする人たちも涙の中でも笑顔になれるヒントをご講演いただきます。先生からの伝言『えぇ~、ホンマかいな‥‥という人、百聞は一見に如かず。是非ともリアル参加を』とのこと。
大会長講演:☆
「ありがとうといえるエンドオブライフケアーすべて統合したポジティブケアー」
群馬大学大学院保健学研究科 内田陽子
人生の終焉は誰もが迎えることです。その過程は苦悩あり、苦痛あり、涙あり、大変なものがあります。しかし、そのなかでも人生を統合でき、時には笑顔、感謝の気持ちが芽生えます。エンドオブライフケアはその人の生きてきた最終章を飾る、統合したケアであり、年齢、性別、疾患など超えてすべての人に必要です。エンドオブライフケアのアウトカム評価の指標の一つに、「ありがとうといえる」があると考えています。エンドオブライフケアに関するアウトカム指標を紹介し、多様な生き方、死に対する知見を遭遇した人々への思い出、ケアの実践、振り返りをもとに、ケアのアウトカムを高めるケアについてお話します。昌賢学園前橋ホール・大ホールでの講演は、全身全霊をあげて皆様にお伝えしたいと考えています。
教育講演1:☆
「最期まで安心して過ごしていただくためのケア技法-ユマニチュードー
本田美和子 国立病院機構東京医療センター
ユマニチュードはフランスで開発され、わが国でも認知症の人に対するコミュニケーション技法としてテレビでも紹介されました。まるで魔法がかかったように認知症高齢者の方に笑顔が蘇るシーンは視聴者に感動をもたらしました。実はこのユマニチュード、すべての人に対して行われる技法です。もちろん、エンドオブライフケアにおいても有用と考えます。ユマニチュードを日本に導入し、学会を立ち上げられた本田氏の講演ではその理念、方法など、具体的な場面を提示しながら、私たちにもやさしさ、対象者の自律・自立を尊重するケアの神髄を伝えていただきます。また、最近取り組まれておられる人工知能を活用しての研究についてもご紹介いただきます。
シンポジウム1:☆
認知症になっても最後まで地域で暮らす「ポジティブ・エンドオブライフケア」
大誠会内田病院 田中志子
大井戸診療所 大澤誠
認定NPO法人じゃんけんぽん 佐藤文美
認知症になっても最後まで地域で暮らし、エンドオブライフケアを保証する。本人が望んでも、無理とあきらめている人は多いのが現実です。しかし、「できる」とポジティブ転換し、地道にかつ積極的に実現されている3人のシンポジストの方に、講演と討議をしていただきます。病院・診療所での診察から施設や自宅への往診、365日24時間行われるエンドオブライフケアの実践、意思決定支援、苦痛やスピリチュアルペインへの対応、グリーフケアなどについて理解を深め、認知症になっても質の高いケアを提供できる地域づくりを応援したいと考えています。
日本エンドオブライフケア学会 第6回学術集会 (klar.co.jp)